漁師日記〜海へ⑪〜

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以下の日記は僕が父島で漁師をしていた時につけていた日記です。 せっかくなのでここで紹介します。 その時の状況を後に思い出せるように書いてあるため、無駄に細かい描写が長々と続くことがあります。

途中から読んでも楽しめるようにしてあります。

辛いっす

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冷凍室の絵2

僕は船の後ろでずっと座っていた。

もう目の前を何度も親方が行き来しているのを見ている。

僕は作業に戻るタイミングを探していた。

でも、なぜか立つことが出来なかった。

おそらく親方は怒っているか、呆れていて、その顔を僕は見るのが怖かった。

そして、そんなことが怖いと思うような自分にムカついた。情けない。

しばらくして、ふとした瞬間に足が動いた。

「お、復活したか!」

親方は驚くことに、その声や顔になんのネガティブな様子を感じさせなかった。

残っている三本の旗を回収する。

休んだから軽くなっているかとおもいきや、そんなことはなく三本の旗は今まで以上に重かった。

冷凍室の絵4

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「よし。体を洗うぞ。準備しろ」

船の前部に移動する。

「いつも真水はバケツ二杯だ。真水は貴重だから仕上げの流しにだけ使う。その他には海水を使うこと」

親方は大きな黄色いバケツに海水を、よくある青バケツに真水を入れた。

真水は、船の前部のタンクに入っている。(冷蔵庫と同じようなタンクが船の前部にもある)

冷凍室の絵

青バケツにはひもがくくりつけてあって、このひもを使ってちょうど井戸から水をすくうような要領で真水を取り出す。

裸になりまずは海水を全身に浴びる。持参したボディソープを泡立ちタオルにつけ、体をこする。

体にへばりついた汗と赤がこそぎ落とされていく。

気持ちがいい。

なにより。空がすごい。

maxresdefault-3

太陽は地平線に落ちている。しかし、「少し前にそこに太陽があったんだろう」と分かるほどの薄い光が地平線からこぼれていた。

その反対側には星々がきらめいている。

真上を見上げれば視界には空の他には何も目にはいらない。

船の動揺がまるで雲の上にいるような気持ちにさせた。

裸なので風が気持ちがいい。

こんな気持ちのいい洗体は一生無いだろうな。

ホースから流れ出る海水で泡を流す。

一日の疲れが泡とともに甲板上に流れていった。

親方もすぐとなりで体を洗い終わったところのようだった。

「よし。夕飯をつくれ」

・・・あの部屋に、また入らないといけないようだ。

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コメント

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